こんにちは!古墳&エビ好きの今井です。
今回は沼田市にある「奈良古墳群」に行ってきました。
奈良古墳群は薄根川と発知川の合流地点の東側に位置し、薄根川右岸の東西約400m、南北約200mの河岸段丘上に展開する7世紀代に築造された古墳群です。周囲は南側に沼田台地の断崖があり、北側も崖を背負った地形で、この地区は小盆地状の地形となっております。
このあたりに60基もの古墳があったとされ、この奈良町八幡平・大平の一帯は「奈良の百塚」と呼ばれておりました。現在は、土地改良等で多くが消滅し、東側の公園予定地を主に十数基のみが保存されています。
群馬県には、1万4千基以上の古墳が存在したと言われており、そのうち大半が墳丘の直径が10~15mの小型円墳であります。これらは、当時の一世帯に一基の割合で作られ、当時の村を単位に一箇所にまとまっていました。村の有力者の集団墓地のようなものです。このような小型のものがまとまった古墳群を特に群集墳と称しており、戦前には県内でそこかしこで認められていたようです。しかし、戦後の食糧増産のため畑地化の動きが加速し、その数は半減、昭和40年代後半以降の列島大改造であらたか消滅してしまったとのことです。一つ一つは小型でありますが、群集墳としてまとまって残っているのは貴重です。
奈良古墳群は現在、13基の古墳があり、全て見学可能です。簡単に主な古墳をご紹介いたします。
1号古墳:径12.5~14.0m、高さ2.69~3.54mです。7世紀後半のものと考えられており、石室は横穴式両袖型石室になります。
2号古墳:径11.5~13.0m、高さは2.64~3.07mです。石室は横穴式両袖型石室で、1号古墳と似た構造ですが、玄室の形が異なります。こちらも7世紀後半のものと考えられております。
3号古墳:径14.0~15.0m、高さ3.07~3.24mです。1・2号古墳と異なる点としては、墳丘の半径と石室全長が同じくらいの長さであること、石室の平面形は羽子板状であることが違いです。こちらも7世紀後半のものと思われます。
4号古墳:径10.5~12.5m、高さ3.07~3.24mです。こちらも7世紀後半のものと考えられます。
7号古墳:現存する奈良古墳群内では最大の規模となります。径11.7~13.0m、高さ3.72~3.96mです。仮に石室全長が墳丘の半径に相当すると、南北径15m以上で、東西径はそれより狭く、やや楕円形の古墳であると考えられます。こちらは7世紀前半のものだと考えられております。
9号古墳:墳丘の大部分が崩壊しており、径6.9~8.4m、高さ0.61~1.31mで小規模な古墳です。7号古墳よりもやや先行する形態で7世紀前半のものだと考えられます。
10号古墳:径11.0~12.0m、高さ1.0~1.93mで本古墳の最東端に位置します。この古墳の特徴はト字状の側室をもつことです。このような側室を持つ例は群馬県内でも本古墳を含め2例しかありません。こちらは7世紀初頭のものと考えられます。
奈良古墳群ももちろん古墳カード対象古墳です!
古墳カードは沼田市歴史資料館でゲットできますので歴史資料館も含めて訪れてみてはいかがでしょうか?
次回のブログもお楽しみに!
奈良古墳群
住所:沼田市奈良町110
関越自動車道沼田ICから1.8㎞、車で約4分
JR上越線沼田駅から5.8㎞、車で約13分
1980年市指定史跡
2020年県指定史跡
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